私はもともと、ファッション云々よりも先に「モノ」自体が好きで、その中でも靴は今でも1番愛着を持って接している道具です。 思えば小学生の頃、誕生日に買ってもらった黒のレザーコルテッツ(私の親父は元アイビーマンでした)を穴が開くまで履いていたのが始まりでしょうか。涙が出そうですね。 ところで、足元を見る、という言葉がありますが、これは一部の人間では本当に自然の動作で行われることだと思います。 フィットしたスーツを着、レザーの鞄をしっかり手で持つ品のいい初老の男性が、エナメルロングノーズの反り上がった靴や汚れたギョーザグツを履いている、なんてことが現代日本では日常茶飯事です。 また、レッドウイングやダナーのブーツを、紐も閉めずに引きずるように歩き、アッパーまで削れているような人間もよく見ます。 紳士であればそんな事にはならないでしょう。 やはりモノの味というものの美しさがわかる男であれば、長年の