地下鉄の乃木坂駅から地上に出ると、オフィスビルが目に入る。一見ごく普通のビルで、かつて、その外壁に、Johnny & Associatesという看板があった。それが今月初め、撤去された。 設立から半世紀、日本でトップのエンターテインメント企業であるジャニーズ事務所、それが、あっけなく崩壊した証だ。引き金は、言うまでもなく、創業者ジャニー喜多川氏の性加害だった。 ジャニー喜多川氏 事務所に所属する少年を、自宅に泊め、性的行為を繰り返してきた。被害者は、少なくとも数百人に上り、うつ病にかかり、自殺願望を抱いた者もいる。“戦後最悪”とされる性加害は、海外でも大きく報じられた。だが、これを、単なる芸能ニュースと片付けるのは間違っている。