受験までの道のり 6月に入ると、フランスはバカロレアのシーズンに突入する。バカロレア、通称BAC(バック)はフランス人にとって重大なイベントである。フランスに住む人間でバカロレアを知らない人はいないと言っても過言ではない。バカロレアは高校卒業資格と大学入学資格を兼ねる全国共通国家試験だ。バカロレア取得の有無で、就職先にも影響が出る。フランス人にとってバカロレアとは一種のバロメーターであり、受かろうが落ちようが成人するのに避けては通れない関門なのだ。合格率は浪人、追試などを含め約70%。バカロレアの出来がその後の進学、就職を確定するので、中学入学時から「バカロレアがないと将来スーパーのレジ打ち以上に仕事には就けない。」と教師は口を酸っぱくして生徒に警告する。早いうちから、バカロレア取得は大きな重圧として学生に圧し掛かってくる。 共通国家試験である為、日本の大学受験の様に滑り止めもない。そ