荻上チキ: 現代社会というのは人々にどのようなコミュニケーションを求めるステージなのかといえば、かつてあったような形で、ある場所に限定した同期性とか、あるライフスタイルに根ざして、共通の志向性の確保するものではなくなっている。個別の目標、個別の生き方、個別のチャンネルみたいなものを志向する個人を、セグメントされた形で生きさせていかなければならないという状況があります。 そういった状況で、そもそも私たちがメディアを獲得していくということは、社会的な身体をどんどん拡張していくことで、今までクリアできなかったさまざまな課題というものを攻略していく、あるいは私たちが進めなかった社会性みたいなものを獲得していく、あるいは今まで解決できなかった社会的課題みたいなものに対して、1つのパス、回答が提示されるといった側面がある。 インターネットも、今までのメディアの登場と変わりなく、そういったある種の欲望