15巻まで出終わったということで、「ローマ人の物語」シリーズ全体を見返してみませう。とか言いつつ、主に、というか100%悪口になります。ちなみに15巻単独については 別に感想を書いた のでそっちをどおぞ。 塩野七生の悪いところは「キャラ萌え」の癖があるところです。歴史をキャラクタとしての人物を通して見ることしかできない。「英雄(およびボケ為政者)によって歴史が作られてきた」史観ですね。まあ物語作家って職業の限界だと思う。物語って常に「登場人物」が必要で、物語作家は登場人物個人の目と声を通してしか物語を紡ぐことができない。同じ欠点は司馬遼太郎にも見られます。英雄物語(およびボケ為政者の悲劇)としてはすんごく面白いんだけどね。 実はローマ帝国崩壊の大きな原因に「3世紀以降北半球の気候が寒冷化した」という話があります。この時期はローマ帝国に限らずあちこちで戦乱が記録されていて、例えば中国では漢が
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