日産自動車で、国内で車両を組み立てる全工場でのずさんな運営が明るみに出た。本来は社内で検査員と認められた従業員が完成車を検査する必要があるが、守られていなかった。新車登録前の6万台の検査がやり直しとなり、ユーザーに渡った100万台規模も対象の可能性がある。法令軽視の批判は免れず、ブランドイメージや業績への悪影響は避けられない。 自動車メーカーは、工場で車を生産する最終段階で「完成検査」を行う。本来は国が行う検査を、工場で代行しているような形だ。完成検査を受けた証明が、安全に路上を走る車としての「お墨付き」となる。その後、販売店に出荷され、ナンバーを付けてユーザーに引き渡される。こうした仕組みは、道路運送車両法や関連の実施要領などで定められている。 国が定めた実施要領では、各社が知識や技能を考慮し、自社であらかじめ指名した従業員が検査するよう求めている。しかし日産では、認定されていない「補助
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