日本のビジネスパーソンは諸外国に比べ「学習」をしない。なぜなのか。パーソル総合研究所の小林祐児・上席主任研究員は「これは日本人が怠けているからではない。日本人は与えられた環境の中で主体的に働く『中動態』的にキャリアを形成してきた。そのことが諸外国との違いにあらわれている」という――。(第2回) 最大の課題は「日本人の学ばなさ」 現在、世界的に一大潮流となっている「リスキリング」。しかし、日本には、リスキリング推進にとっての最大とも言える課題が存在します。それは、この国のビジネスパーソンは学びの習慣が極めて薄弱だということです。国際的には「勤勉」のイメージで知られる日本人は、社会人になったとたん、国際的に圧倒的に「学ばない国民」と化します。しかも、一部のデータからは学びの量はここ数十年間でどんどん減っている様子さえ見られます。 そのため、行政や企業がいくらリスキリングの機会や補助金などを提供