ファッションから音楽の世界へ 「人生が凝縮された作品」同業者の妻 「他社にない財産 今後も大切に」 エッフェル塔の見える街角で読書にふける女性。店頭に並ぶ色とりどりのお菓子。カフェで思い思いに寛ぐ人々。整然とそびえる集合住宅。次々移り変わるパリの景色を包み込むように響く、壮麗な弦楽アンサンブルと美しい歌声。 1990年に制作され、33年後の今も使われ続けているCM音楽があります。マンションデベロッパー明和地所(東京都渋谷区)の「クリオマンション」シリーズのために作られた「アパルトマン」です。CMの尺は最長で30秒でしたが、優雅さを体現した映像とあいまって、聴く人の心に西欧への憧れを植え付けた作品でした。 この音楽の作・編曲者、片柳譲陽(かたやなぎ・じょうよう)さんが3年前に亡くなっていたことが、このほど遺族から明らかにされました。どんな音楽家だったのか生前の姿を伺い、今なお魅力的な楽曲の背