(この記事について)失踪を繰り返す父の存在を写真でとらえた作品シリーズ〈father〉などを発表している写真家・金川晋吾(かながわしんご)さん。そのまなざしは、社会のなかで“当たり前”とされる典型的な関係性を越え、自己と他者とを結びつける複雑な要素そのものに注がれているように映る。そんな金川さんが、人を「好き」になることについて、いろいろと思っていることがあるという。人を愛するとはどういうことなのか、人とともにあるとはどういうことなのか。自らの“しっくりこなさ”に向き合いながら、日々を生きるなかで湧き起こる戸惑いや想いを綴ってくれた。 わかるけど、わからない「恋愛」 どうも居心地が悪い、しっくりときていないと感じています。でも、そのしっくりこなさが、何に対してなのか、それがうまくつかみきれません。と言ってもまったく把握できていないわけでもなくて、なんとなくはわかっている気がします。私は、一