カメキチの目 この本は学術書ではない。 著者の茂木健一郎さんは脳科学者だけど、「右脳が…左脳が…」とか「大脳皮質頭頂部が…」という解剖学的な、読者の頭がガチガチになってくるような専門的な語彙はあまり使わず、やさしい言葉で語りかけてくる。 話の内容は、脳科学による生き方のヒントみたいな感じ。 私は、本の題名にもある「偶有性」という言葉にこの本ではじめて接しました。 この言葉・概念のほかに「クオリア」というもの(こっちも名前だけ聞いたことありました。「なに、『クリオネ?オホーツク海と関係あるのか』と勘違いした)も使って「生命」の働き、つまり「生きる」ということを述べられます。 読みはじめからそう感じさせ、長続きが苦手の私だが、踊るような気持ちが最後まで続き、完読した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー はじめは、「偶有性」とは何か? ということが平易に書かれる。 「生きる」ことは