4. 音階の選択 さて、身近な実践の場で今回の知識が鍵になってくるのは、「クオリティ・チェンジ」でメジャー化したIIIや、「二次ドミナント」の原理で持ち込んだIII7のコード、またはそれに類する諸々のコードを使用する際です。既にソにシャープが付いている状態ですが、そのまま演奏すればハーモニック・マイナーを演奏することになり、さらにファにもシャープをつければメロディック・マイナーを演奏することになります。 シャープを付けるのも付けないのも、どちらも現実的な選択肢としてあり得るもので、本来のファが持つ強傾性音としての特徴を活かしたいか、あるいは段差を滑らかにしたいか。作りたいメロディラインや曲想に応じて決めていくことになります。それぞれの実例で、サウンドの違いを見てみましょう。 メロディック・マイナーの採用例 メロディック・マイナーの魅力は、なめらかさです。ソ♯の音を自然にメロディラインに盛り