広告会社「電通」の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が2015年12月に自殺したのは、長時間労働による過労が原因だったとして、労災認定された。この問題は大きくクローズアップされ、「第2の電通事件ではないか」と指摘されている。 ●25年前に起きていた、もうひとつの悲劇 電通では25年前の1991年にも過労自殺が起きている。このケースでは、遺族が電通の損害賠償責任を追及するため裁判を起こし、最高裁まで争われた。労働法の分野では「電通事件」などと呼ばれる著名な裁判だ。 裁判所が認定した事実は次のようなものだった。 ・自殺した男性(当時24歳)は、1990年に電通に入社。ラジオ広告の企画と営業を担当する部署に配属された。男性は素直で責任感があり、ものごとには粘り強く取り組み、完璧主義の傾向があった。 ・当時の電通では、従業員の長時間に渡る残業が常態化していた。また、実際の残業時間より少ない
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