「なぜ純粋な市民を拉致するんだ?」「ひざまずけ!」 27日午前1時20分ごろ、ソウル市庁前のソウル広場東側で、一人の中年男性がイスに座ったままデモ隊約20人に取り囲まれていた。その周囲にはさらに200‐300人のデモ隊がいる。男性のシャツははだけ、下着のランニングシャツは引き裂かれ、ボロボロになっていた。胸や腹はむき出しになっている。デモ隊に取り囲まれた男性は、南大門警察署の強力(凶悪犯罪担当班)第1チームに所属するオ警衛(日本の警部補に相当、47歳)だった。なぜ、オ警衛は興奮したデモ隊に取り囲まれ、「人民裁判」を受ける罪人のようになってしまったのだろうか。 ◆現職警察官を「誘拐犯」と非難、まるで「人民裁判」 オ警衛は26日午後9時ごろ、コリアナホテル(ソウル市中区太平路)から「デモ隊がホテルの器物を損壊している」という通報を受け、太平路のデモ現場に出動した。オ警衛は「現場に到着