「ごほうしするニャン」 彼女はそう言った。 「準備するからちょっと待っててね」 と言って別室にひっこんだので、何をしてくれるのだろうと私はワクワクしながら待っていた。 そして「準備できた」と現れた彼女は、山伏のような奇っ怪な格好をしていた。 私が「へ? なにそれ」と聞くと、彼女は 「護法師なり。 仏の法 (のり) を護るものなり」 と応えたのだが、もちろん私にはさっぱり意味がわからず困惑した。 「汝の邪なる気を払うべく参上した」 彼女は手に持っていた奇妙な祭具のようなもの (独鈷を長くしたような形) を掲げて呪文のようなものを唱えはじめた。 「おん きたきた さくば さきら さびらうんけん」 「ハラバ アキシタヤ コロ ボキャラバ バイセイ」 「きたす のきさたや きら アラジャヤ ソワカ」 そして「ハーッ」と気合を入れたかと思うと祭具のようなものを私の頭に振り下した。 一瞬にして意識が薄