アニメのキャラクターデザインといえば、「自分の個性を全開にして、好みのキャラを自由に描く」夢のような仕事をイメージするかもしれない。 だが、アニメーターの高橋裕一さんは「マクロスF」(2008年)で、江端里沙さんのサポート的立場からサブキャラクターをデザイン、「つり球」(2012年)では宇木敦哉さん、「ガッチャマン クラウズ」(2013年)と「ガッチャマン クラウズ インサイト」(2015年)ではキナコさんのキャラクター原案を元に、アニメ作画用のキャラ表(キャラ設定)を描き起こした。 個性の強いキャラ原案を、大勢のアニメーターが描きやすくするためには、堅実な画力と計算力が問われてくる。作画監督として長いキャリアを持つ高橋裕一さんに、キャラクターデザインの秘訣をうかがった。 参考書の絵を、丸一冊、模写した高校時代 ──アニメーターになろうとした動機は、何だったのでしょうか? 高橋 小学校~中