あけましておめでとうございますと私は言う。あけましておめでとうございますと彼女も言う。それから、生存に、とつけ足す。ほんとうにおめでたいことだねえと私は言う。私たち、生きてて、いろいろたのしくって、おめでたいねえ。Skypeの向こうの古い友人は少しだけ沈黙し、それから、ちいさく笑う。 彼女は路上にきわめて近いところから人生を構築した。私は彼女ほどきつい状況にはなかったけれども、心情的には類似のカテゴリに所属していた。だからまだ少女といっていい年齢で彼女は私を発見し、私は彼女を発見し、そうして、たがいを特別なものとして取り扱った。見た目の同じ動物たちのなかにあって擬態を見破られないよう始終気を張っているにせもの同士として。 彼女の生家は彼女の言うところのマイルドな地獄であり、彼女の話を聞くたび私はおおいに憤った。あなたはきっとすごく強くなると私は言った。強くなって、それで、そんなものぷちっと