Furchtlos bleibt aber, so er es muss, der Mann Einsam vor Gott, es schützet die Einfalt ihn, 私にとって『この世界の片隅に』は受け入れがたい映画であった。一言で言えば「男がいない」映画だということだ。とりわけヒロインの夫、海軍勤務の文官・北條周作の影が極めて薄い。インテリである彼は当時の高等教育の教養と仕事による戦況に関する情報を持っているだろうに。そうした話題は出てこない。妻との間でもそうした話はしない。妻をまともなパートナーとして扱っていないということだ。 また周作はクロソウスキー流「歓待の掟」の実践者でもある(当時は死地へ向かう男に対して、そうしたことがあったらしい)。本作品の肯定論者はここをスルーしてるのはなぜだろうか? 『この世界の片隅に』の3P(未遂)エピソードは、ホモソーシャル共同体の