→紀伊國屋書店で購入 「子どもの貧困を、しっかりと「発見」するために」 『子どもの貧困』(阿部彩)で、詳細に引用された子どもの貧困についてのデータ、そして論旨があまりにもショッキングだったため、現場のレポートを読もうと思い手に取りました。阿部氏は研究者でしたから、「本当の貧困の現場を知らない」といえなくもありません。神奈川県内の児童相談所に勤務し、アメリカで貧困問題の研究をした山野氏は、現場と理論の両方を熟知した人ということになります。 「現在のわが国の政府は、子どもたちの貧困問題にまったく関心を示さず、その問題自体を放置しているとさえ言えるでしょう。この本でも指摘しているように、それは世界的に見れば例外中の例外なのかもしれません」 冒頭に出てくる言葉は、日本政府と社会が、子どもの貧困に無関心だったという事実です。阿部氏と同じ見解です。 日本国内にはきちんとしたデータがほとんどないため、引