今日は松尾芭蕉忌。そして忘れられない浅沼稲二郎さんの亡くなった日だ。それから、私の二度目の父親が死んだ日。10月12日は、いろいろと忘れられない日なのだ。親父は、病床にあって二年目の秋を迎えていた。まもなく秋祭りだな、と楽しみにしていた。私の家は八幡宮の参詣路に面していたので、病気の父も窓からお祭りを見ることができたのだ。そして明日から秋の大祭が始まるという日の朝、息を引き取った。 私がまだ子どもだった頃だった。そして、ヌマさんこと浅沼稲二郎社会党書記長が右翼の愛国党の青年に演説会場で刺されて亡くなった。ちょうど私はテレビで立会演説会の様子を実況中継で見ていた。演説を始めてすぐに、左の舞台脇からあがってきた若い男がヌマさんの体にぶつかっていった。北海道の炭坑で鍛えたあの太いヌマさんの体がぐらっと揺れて、倒れ込んでいった。すべては一瞬のことだった。その出来事がようやく育ち始めた戦後の民主主義