前回は,要求開発・要件定義フェーズを成功させるためのポイント「コタツモデル」についての説明を行いました。「コタツモデル」とは,ITシステム開発プロジェクトにおける,主要な三つのステークホルダーの関係性を表すメタファーです。 ビジネス戦略を決定するビジネス・オーナー(経営者や高位の責任者),実際のビジネスを遂行しているユーザー(現場担当者),そしてシステム開発担当者の三者によってシステムの目標を決定する=一つのコタツに入って議論する状況を,要求開発アライアンスでは「コタツモデル」と呼んでいるものです。 今回は,具体的な「コタツモデル」形成のテクニックの一部についてご紹介したいと思います。 「コタツモデル」形成に王道なし,アンチパターンの活用 「(要求開発・要件定義などの)上流工程は異種格闘技戦である」──これは筆者の持論です。ITシステム開発の下流工程,すなわち設計・プログラミング・テスト・