10月1日、約5年半の保存・復原工事を経て東京駅丸の内駅舎が創建当時の姿に蘇る。1914年に辰野金吾が設計した煉瓦壁の建築は、1945年の東京大空襲で3階部分を焼失。工事の目的はこれを復原し、建物全体を免震構造とすることである。 そして、同時に東京ステーションギャラリーも活動を再開する。「多くの人々が行き交う駅を文化の発信地とすること」を狙いとし、1988年に丸の内駅舎の2階を改造して開館。これまでにジャンルを問わず105本の展覧会を開催してきた場だ。 復原工事完成を記念する展覧会「始発電車を待ちながら 東京駅と鉄道をめぐる現代アート 9つの物語」では、「東京駅」「鉄道」をテーマに9組のアーティストによる新作を展示する。鉄道を発想源とする、あるいは場所性にこだわる作家の作品を通して、人々の日常生活を支えるインフラであり、歴史的には激動の近代史の舞台となった特別な場所「東京駅」をとらえ直す機