今日であの震災から8年に、なる。この8年間を振り返って、僕がどうしても考えてしまうのはやはりこの国のインターネットのことだ。誤解しないでほしい、僕は8年経ってもまだ避難生活を強いられているたくさんの人たちのことや、原子力発電所の事故のことをどうだっていいと考えているわけじゃない。むしろ逆で、こういったことを忘れたふりをすることは絶対に間違っていると考えている。そう確信するからこそ、インターネットのことが重要だと思うのだ。 震災の直後、この国のインターネットが不安を背景にTwitterを中心に沸騰して、ひとつの「ムラ」になった。そこではあたらしい支え合いのかたちが生まれたその一方で、無数のデマと陰謀論が拡散していった。 その頃に僕は新聞社の取材に答えて、これはあたらしい「世間」のようなものだと答えた。良くも悪くもばらばらになっていった当時のこの国の社会が、あの震災をきっかけにインターネットの
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