昨(2003)年末に出版された『見逃し症例から学ぶ日常診療のピットフォール』(生坂政臣著,医学書院刊)が話題になっている。具体的な症例をもとに,「一般外来診療とは何か」を見事に浮かび上がらせた本書は,20代の研修医から50代以上のベテラン開業医まで,幅広い層に支持されたようだ。 「一般外来診療の極意」とは何か? 「日常診療のピットフォール」とは何か? 一般病院で研鑽の日々を送る若手内科医,大野博司氏が著者の生坂氏にインタビューした。 ■診療のあり方は「場」によって異なる コモンディジーズとは? 大野 『見逃し症例から学ぶ日常診療のピットフォール』で,真っ先に強調されているのが,「日常病(コモンディジーズ)を知る」ということですが,日々の診療の中で,コモンディジーズを知るためには,どのようなことに気をつけなくてはならないのでしょうか? 生坂 コモンディジーズとは,一般的には「高頻度に見られる