仕事の関係もあって、図書館をよく利用する。大変お世話になっている。不満がないわけではないが、お世話になっているから言わない。むしろ、図書館は大変だなと、ご同情申し上げたい気分だ。 はたして図書館の専門家はどう考えているのか。たまたま図書館で、『図書館のこれまでとこれから』という本を見つけた。 いろんな問い合わせがある 著者の大串夏身さんは1948年生まれ。東京都の中央図書館で73年から20年間、司書をつとめ、その後は大学の教員として20数年間、図書館情報学を講じてきた。これまでにも関連本を多数出しており、いわば業界のエキスパートだ。 現場にいたときは、利用者からの問い合わせに答えるレファレンスサービスの担当が長かった。貸し出しサービスなどの窓口係は短期間しかやっていない。したがって本書の内容も「図書館で調べる」ことが軸になっている。大串さん自身、「人間の知的な創造物を収集して提供する図書館