20代前半のころは、「人生を劇的に変える何か」を期待している節があった。 滞りなく大学を卒業し、採用された企業に勤めはじめ、仕事にも慣れてきたくらいの時期。業務の効率化を図るべく自分なりに試行錯誤しつつ、ビジネス書も手広く読むようになったのが、このころだったように思う。 そんななかで出会ったのが、「ライフハック」だった。 仕事の生産性を上げるための工夫から、暮らしを便利にする豆知識的なものまで取り扱う、多種多様なテクニック。十人十色の仕事術や生活の知恵を知り、わくわくさせられたことを覚えている。 ひとつひとつの活動は小さいけれど、これらの考え方を参考にして取り入れていけば、自分も充実した毎日を送ることができるようになるのではないか。そしてゆくゆくは、「人生を劇的に変える」ことにつながるのではないか──と。 でも実際は、そううまくはいかなかった。 ライフハックや自己啓発にハマる人の少なからず