米国が推進するオープンガバメント政策では、データの利活用において国民の参加を促す仕組みを取り入れ、同時に浮上するプライバシー/セキュリティの課題にも具体的な対応を図っている。同国はこのテーマにどう取り組んできたのか――。 ソーシャルメディアとビッグデータはオープンガバメントの共通基盤 米国のオバマ大統領は、2008年の大統領選挙でソーシャルメディアをフル稼働して勝利し、2012年の大統領選挙ではビッグデータ分析を駆使して再選を果たしたことで知られている。このような経験/ノウハウは、公共部門のICT政策にも生かされている。 オバマ大統領は就任式直後の2009年1月、連邦政府行政機関および各省庁長官にあてて、「透明性とオープンガバメント」と題する覚書を発表した。政府・政策・情報の透明性(transparency)、国民参加(participation)、官民連携(collaboration)の