私は自分に霊感があるとは思わず、どちらかというと幽霊などは信じない現実主義者だ。それなのに、怪異の方から寄ってくるようで、子供の頃から、理屈に合わない奇妙な体験をすることが多かった。 でも、自分で怖い話を書いてみようとは思わなかった。気が変わったのは、去年、女性の知り合いが「また」亡くなったからだ。これで何人目になるか数えてみて、ひどく恐ろしくなった。 そして私は、怖さを紛らわすために怪談話を書きはじめたのだった。あれから暫く経ち、この夏、初のホラー小説集を上梓することが出来て、こうしてコラム連載のお話も頂戴した。 怪談系のコラムは初めてだ。だからまずは、この、怖い話を書きはじめたきっかけについて書こうと思う。 私はここ4、5年は作家として収入を得てきたが、10年前までAV女優だった。桃井望さんに出逢ったのは、2001年頃だったろうか。私はAVの共演者にすぎなかったけれど、その前に私の現在