表現の根源に迫る人間たちを発掘せよ! 櫛野展正インタビュー死刑囚、ヤンキー、スピリチュアル系など、美術の「正史」では扱われてこなかった存在に目を向けた企画展を行い、注目を集めてきた広島県福山市の鞆の津ミュージアム。しかし同館は、現在開催中の企画展「障害(仮)」(2015年9月12日〜12月13日)を最後に自主企画展を終了する予定となっています。同館で9本の企画展を手掛け、今年10月に新たな活動の場「クシノテラス」を立ち上げたキュレーター・櫛野展正に、これまでの展覧会や新プロジェクトについてインタビューを行いました。 岡澤浩太郎 ──櫛野さんが、いわゆるマイノリティと呼ばれる人たちに注目した経緯を教えてください。大学受験に失敗して、障害者が行く特別支援学校の教員を目指すことになったんです。それまで障害者にはまったく興味がなかったんですが、偶然行った福祉施設でのボランティア活動にすごく感激して