■厚労省判断「遅すぎた」の指摘 向精神薬「リタリン」(塩酸メチルフェニデート)の乱用が問題となり、厚生労働省はリタリンの適応症から鬱病(うつびょう)を除外することを10月に決定した。厚労省は「鬱病の薬としてリタリンの役目が終わった」としているが、欧米と比べると今回の措置は「遅すぎた」と指摘する専門家もいる。この薬を服用したことがある記者自身の体験も踏まえて問題を検証してみた。(特集部 本多香保里) リタリンはまずドイツで発売され、日本国内では昭和33(1958)年から販売されてきた。厚労省の決定によって鬱病のほかADHD(注意欠陥多動性障害)への適応が除外され、これらの患者には来年1月ごろには処方されなくなる見通しだ。 リタリンは鬱病に効果がある一方で、鬱病患者らが服用しても依存症に陥る危険性のほか、患者でない人が覚醒剤のような効果を期待して乱用する問題が指摘されている。 記者は4年前、生