少子高齢化が加速度的に進む日本。今を生きる現役世代にとって「老後」は濃い霧に包まれているかのように未知の世界だ。 公的年金制度の崩壊はずっと前から危ぶまれっぱなし。定年まで毎日あくせく働いても将来が保証されるワケではないし…。 30年後、40年後、50年後……。確実にやってくる老後の世界に向けて、僕たちはどんな準備をしておくべきなのか。個人の資産運用とライフプラン設計を専門領域とするファイナンシャルプランナー 伊藤亮太さんに話を聞いた。 長生きがリスクに?イメージするべき自分の『明確な老後』の姿 「“90歳まで生きる”というのがライフプラン設計の前提です。“老後”というものをぼんやりととらえていては危ないですよ」 伊藤さんはそう切り出す。厚生労働省が発表する日本人の平均寿命は、すでに男女とも80歳を超えている。90歳、100歳まで生きることは今や珍しくも何ともない時代だ。 定年を迎えてなお