大将、あるもんでちゃちゃっと。 オフィシャルサイト 急ぎの仕事を終えた深夜。疲れきった私はどうしても腹に何か入れたくなり、駄目元でいつもの店に寄ってみることにした。 「大将ごめん、もう火落としちゃった?」 「いえ、まだやってますよ」 「良かった。お任せするから適当に見繕ってくれる」 「お客さんは、ニコラス・ケイジは大丈夫でしたっけ」 「ケイジ? ああ、ぜんぜん大丈夫よ。むしろ好物」 「じゃニコケイにしましょうか。ちょうど新しいのが入ってるんですよ」 「へえ、ケイジの新物かあ」 「向こうじゃ一年前に公開されてるんですけどね。はい、『ゴーストライダー2』一丁」 ほどなくして出てきた小ぶりの丼の中身は、真っ赤に煮えたぎっていた。 「うわ、熱そうだなあ」 「見た目ほどではないんで、どうぞ召し上がってみてください」 おそるおそる箸をつける。 「あ、ほんとだ。わりとぬるい」 「サラサラいけますでしょ」
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