はつなつ 朝の台所に 母を感じる うたたねする 耳元に 母の声がささやく 洋風に模様替えした 母のかつての寝室に 母が香る 風に膨らむ レースのカーテンから リビングに こぼれ落ちる 生まれたばかりの なつのひかり 母が不在の はじめてのなつ 母が逝去して、丸11年が経過する。 不整脈をかかえていたが、入院のきっかけも、最期も肺の疾患だった。 病室で母のベッドを囲み、家族や親族で掌を合わせた。綺麗な顔だった。 業者さんが来るまで、しばらく時間があった。 皆には、家に帰って準備をしてもらっていた。 ぼくだけが残り、母にいろいろ話しかけた。 窓をみると、真っ黒なひとかたまりの雲が、すぐそこにあった。 ああ、雨が降るなあと思ったと同時に、激しい雷鳴が轟いて、滝のような雨が 窓をたたいた。 今でも、深い悔恨の想いで、ああ、あの時、旅行に誘っていなければ、もう少し長生きできたのではなかったかと、うつ
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