よく見ると、バニラトラックは、日野の二トントラックだった。 トントン、トントンっヒノノの二トンてやつだな。 フロントガラスの上には四角い目のような形で前方用のセンサーがついていて、なかなかの最新装備ぶりだ。 ただ、フロント部分が木に突っ込んで凹んじゃってるので、動くかどうかはわからない。 シートに上がり、とりあえずキーを回してみるが、案の定、セルの音がするだけでエンジンはかからない。 バッテリーもガソリンも問題ない。 多分、どっか壊れたんだろうなー。 外に出てフロント部分にまわってみるが、エンジンルームをあけようにも、フロントを木に突っ込んでいる二トントラック動かす術がない。 歩いて行くしかないか… カーレまでの道のりを思い、俺は頭をかかえた。 行くのやめよっかな。 すると、俺の頭からするりと降りたドラゴンが、シートに転がしておいた胡椒瓶をつついて、馬鹿にしたように俺を見上げた。 なるほど