プレイヤーが操る主人公は透明の子ども。ファンタジー世界で勇者が倒していったアニマルの魂がさまよっている場所を、さまざまなヒントから推測。魂を見つけ出し、捉えて復活させ、それによって得た「ラブ」によって成長していくという、バトルのない風変わりな成長方法が特徴だった。 さらに彼を取り巻く登場人物たちは、徹底してシニカルな観察眼に支えられて描かれていたため、結果、そのへんに居そうな人々の容姿、性格、言動を極限まで誇張した奇妙な人々ばかりとなっていた。 それゆえ、同時に人間臭さを突き詰めた温かみや逆説的な人間讃歌の側面を見せ、プレイヤーを心地よいペーソスと感傷に誘い、聴き取れそうで理解不能な独特の発声と相俟って、物語を唯一無二の印象に仕立て上げていた。 この『moon』を作ったスタジオ、ラブデリックはわずか3作品を残して解散している。 『moon』、そしてアパート内のチキュー人たちを観察し、その様

