薬や医療機器に頼らない「自然なお産」に取り組む産婦人科「吉村医院」(愛知県岡崎市)を舞台にしたドキュメンタリー映画「玄牝-げんぴん-」が公開中だ。河瀬直美監督(41)は「自分らしいお産を考えるきっかけにしてほしい」と話し、高校生限定の試写会も開かれた。【清水優子】 ◇「出産は幸せなもの」「神秘感じた」 吉村正院長(78)は「産む力」を生かした自然分娩(ぶんべん)を実践し、2万例以上のお産に立ち会った。妊婦は日曜を除く毎日、医院隣接の古民家に通い、一汁一菜の昼食を食べ、まき割りや畑仕事で体を鍛えて出産に備える。 河瀬監督は約1年間カメラを回し、出産シーンも克明に収めた。 10月末、東京・渋谷で行われた試写会は、高校生約40人が参加した。都立総合芸術高1年の高橋彩さん(15)の母親は2日間、陣痛に苦しんで彩さんを産んだ。「痛かった」と話す母に「怖い思いをさせて申し訳ない」と思い続けてきた。しか