夏の甲子園は京都国際が、京都勢として68年ぶりの選手権優勝を果たした。春の近畿大会で優勝していたとはいえ、レベルの高い近畿勢にあっては、大阪桐蔭や報徳学園(兵庫)、智弁和歌山の陰に隠れて、優勝を予想した人は多くなかったはずだ。これら強豪の早期敗退と京都国際の優勝は、今春から導入された「低反発バット」と密接に結びついていて、勢力図をも激変させた。 公式戦本塁打ゼロで優勝した京都国際 「今年は能力の高い選手がいない。公式戦本塁打もゼロ」とは、優勝した京都国際の小牧憲継監督(41)の今チーム評だ。その「打てない」チームは、エース・中崎琉生(3年)と西村一毅(2年)の両左腕が、1回戦から準々決勝までの4試合を交互に完投した。継投を前提とした「複数投手」制を推奨する高校球界では、異例の起用法と言える。2投手とはいえ、ローテーションを確実に遂行した形だが、監督の言うように、打線が相手投手を圧倒した試合