東日本大震災と福島第1原子力発電所事故から1年半。震災前、九州全域の電力の25%をまかなってきた九州電力玄海原発では昨年12月以降、4基の原発がすべて稼働できないまま。地域経済への影響も深刻化している。立地自治体として誇りを持って原発を支えてきた佐賀県玄海町の岸本英雄町長(59)が苦しい胸中を明かした。(田中一世) ◇ 一日も早く再稼働してほしい。心からそう願っています。今は震災からの復興に向け、日本経済が元気に前進しなければいけない時でしょ。それには安価で安定した電力供給が不可欠なんですよ。現時点では原子力が一番じゃないですか。 もちろん原発再稼働は、玄海町のためにも必要です。町は収入の6割を原発関連の交付金や税収でまかなっており、原発や関連会社で働いている町民は人口(約6400人)の1割強を占めているんですよ。その他、原発の従業員相手に商売している飲食店や宿泊施設、タクシーなど