【広州=吉田健一】尖閣諸島国有化などに反発する中国の反日デモは23日、上海や広東省広州の郊外など一部の都市で行われたが、いずれも大きな混乱はなく終了した。 デモ抑止に方針転換した中国当局の封じ込めが奏功した格好だ。 日産自動車が進出している広州郊外の花都区では23日、警官数百人が警戒にあたる中、中心部の広場などでデモが行われた。新華社通信は、最大で3000人が参加したとの目撃者の話を伝えた。上海総領事館前や同省梅州、浙江省杭州でもデモがあったが、目撃者らによると、いずれも混乱はなかった。 デモの矛先が政権批判に向かうことを警戒する当局は先週以降、デモ禁止を市民に通告するなど抑え込みの姿勢を強め、暴徒化した参加者の拘束も始めた。 22日には深センの警察が、地元共産党委員会などが襲われた16日のデモの際に破壊行為を行ったとして、デモ中に撮影したとみられる20人の顔写真をインターネット上で公開し