国内初の公立近代美術館で、日本の代表的な近代建築として知られる神奈川県立近代美術館鎌倉館(鎌倉市)が2016年3月末で閉館する見通しとなっている。 財政難に苦しむ県が、敷地の所有者である鶴岡八幡宮との土地貸借契約を更新しない方針を示している。契約を打ち切る場合は更地にして返還しなければならない。同館の解体を避けたい県は対応に苦慮しており、地元からは存続を求める声も上がっている。 建築・美術界の有識者らでつくる「県立近代美術館100年の会」によると、鎌倉館は終戦直後、当時の神奈川県知事が戦災からの復興と文化振興を願って建設を決めた。近代建築の第一人者・坂倉準三の設計で知られている。 白を基調としたシンプルな構造の建物は、鶴岡八幡宮の池にせり出すように建てられ、周囲の自然と調和するよう配慮されているなど優れた外観を持つ。近代建築の調査・保存を行う国際NGO「DOCOMOMO(ドコモモ)」(本部