それでも、ホテルに戻ってからは、仕事をしている俺である。 米国との電話会議。 「で、守備はどうだ?」 直球な上司の質問に適当に応える。 相変わらずのお喋りだけのエイゴの会議。 時折、鋭く突っ込んで笑いを取る技だけを披露するのには慣れた。 年収が1500を超えても、結局、こういう会議を上手く乗り切るすべさえ身につければ、外資も楽なもんだ。 既に、中国で会社を作らないで、あたかも社員のように架空社員を押し込むヒントはもらった。 「大丈夫なのか?」 と心配されるが、 「俺が言うから問題ない」と押し切る。 米国人相手は、確証がなくても怯まないことがコツだ。 どうせ、無理筋のミッションで、コンプラとか五月蝿いことをぬかすが、 結局、ある抜け道が見つかれば、そっちの方向性に進むのはノリノリ。 それが米国人だ。 自国の外には無関心。 でも、自国の論理を押し付ける。 こういううざったい態度も、こなせる癖が