私は以前小説を書く楽しさを問われた時に口ごもってしまった覚えがあります。 楽しさならたくさん知っているんですよ。楽しさを知っているからこそ、この仕事をしているのです。 私自身が幼いころから話を創造したり、それを紙に書き綴るのが好きでしたから、その中で多くの楽しみを見つけてきましたから。 しかしこの質問を投げかけられた当時はスランプの中のスランプで、パソコンの前に座り続けても一文も書き進められない日が何日も続いていました。 もう私は文章の出来にこだわり始めたらどこまでも深みにはまっていくタイプなので、一文書くことに数時間、下手をしたら数日かけることもあるわけです。 長編小説の中のたかが一行にそこまでこだわる意味があるのかと思われるかもしれませんが、その一文で書き上げた500枚の原稿の価値を決めてしまうほどの大きな影響力を持つ一文があるのです。 そこでどのような言葉、表現、文体を使うかによって
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