「原価が見えない。原価の精度を上げろ!」 「原価の精度が悪くて、何も判断がつかない!」 多くの企業で、良く聞く言葉であり、経営者や原価に携わる人の口癖となって無いだろうか? 『精度が悪い』 筆者からすると、これほど都合のいい言葉はないと感じる。「分からない」「分析できない」「意思決定できない」こんなことも『精度』という言葉を言い訳に使い、周りも納得し、仕方ないという風潮ができてしまっていないだろうか。では、原価の精度とは何か? 精度が良いとは何か? 悪いとは何か? 少し乱暴な言い方をするが、これは「精度が悪い」という言葉を言い訳にしたマネジメントの放棄でしかないと感じる。今回は、この「精度」という言葉をキーワードに、ものづくり復活のヒントを探っていこうと思う。 会計=計算という誤解 多くの人の思う「精度が悪い」とは、1個あたりの個別原価の話しを指し、間接費の配賦が精緻でない事を言っている事