応急仮設住宅の建設が進む能登半島地震の被災地で、次の住まいの見通しが立たず、今も車中泊や避難所暮らしを余儀なくされている人たちがいる。仮設住宅に入居できず、自宅にも戻れない。支援制度の隙間にあるような被災者への丁寧な個別支援が求められている。 (奥田哲平、写真も) 石川県輪島市の道の駅「ふらっと訪夢」の駐車場で19日夜、軽ワゴン車の中で男性(66)が寝泊まりしていた。助手席のシートを倒して横になり、足裏がフロントガラスに付くほど。「足を伸ばしてゆっくり寝たいな」と力なく笑った。 男性は地震発生時に市内の2階建てアパートに1人で暮らしていた。指定避難所は住民であふれ、感染症を心配して車中泊が始まった。アパートの建物は損壊程度が低い「準半壊」だったため、電気と水道が復旧した3月初旬に戻った。 だが、取り壊す意向の大家から退去を求められた。避難所に身を寄せようとしたところ、管理者から「新規の受け