緒言 総論 揺れ動く「真」と「贋」 第1部 複製価値論――ホンモノ/ニセモノの峻別は可能か? 先史考古学における真と偽――石器のコピーをめぐって アンデスにおける模造と捏造――真贋鑑定から本物再発見へ レプリカを用いた考古遺物の解析 真贋を科学する 年代物――ほんとうはいつ頃のもの? 第2部 複製制度論――コピーこそがオリジナルである! 写真と謄本――天皇の姿と言葉の場合 模造千円札事件――芸術は裁かれうるのか フィラテリーにおける偽造・摸造・変造 第3部 複製美術論――オリジナルは唯一無二ではない! 国芳が模した中国の水滸伝画像 デュシャンにおけるコピーの問題――レディ・メイドを中心に 「レプリカ」を超えて 第4部 複製教育論――コピーにしか果たし得ぬもの 空想美術館――複製メディアにおける芸術作品の受容 カースト・コート形成史――複製美術品の機能と役割 ダイヤモンドのレプリカが生まれる