医学部の入試で女性や浪人生が不利に扱われていた問題で、弁護士らでつくる第三者委員会から不正があったと指摘された聖マリアンナ医科大に対し、日本私立学校振興・共済事業団は25日、2019年度の私学助成金約21億円を交付した。本来、入試に不正があれば、助成金は不交付や減額の措置がとられるはずだ。実際、問題が発覚した東京医科大は2年連続で交付金ゼロ、他の大学も18年度に減額された。なぜ聖マリ医大だけ「おとがめなし」なのだろうか。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】 文科省と事業団が補助金不交付や減額対象をリストアップ まず、私立大への補助金交付はどのように決まるのか。文部科学省私学助成課や同省が所管する日本私立学校振興・共済事業団によると、助成金の原資は国費で、文科省が総額の予算を決定し、事業団が教職員数などに応じて各大学の助成額を決定する。法令違反など問題があった大学については減額や不交付とな