●Paul Romer, “Fish Proverb v2.0 (Bringing in Rules)”(July 29, 2009) 経済学の分野でおそらく何よりも重要なのは、「モノ」と「アイデア」の区別だろう。人口が多いほど、一人ひとりに割り当てられる「モノ」の数は減る。その一方で、人口が多いほど、新たな「アイデア」が閃(ひらめ)かれる――新たな「アイデア」を思い付く人が潜んでいる――可能性が高まって、利用できる「アイデア」の数が増える。これまでを振り返ると、利用できる「アイデア」の数が増えたおかげで、一人ひとりに割り当てられる「モノ」の数が減るというデメリットを補えてきている。かつてに比べると、一人当たりの(耕作可能な)土地(という「モノ」)の面積は減っているのに、一人当たりの食料の消費量は増えているのは、これまでに発見されてきた数々の「アイデア」が普及したおかげなのだ。 「アイデア