高温にした鋼材などを引っ張り続ける物質・材料研究機構(本部・茨城県つくば市)の実験時間が27日、世界最長記録の1万4853日を達成した。 これまでの世界記録はドイツ・シーメンス社の1万4852日と15時間。同機構はギネス記録の登録を申請した。 実験は、長時間材料を引っ張り続けて強度を調べる「クリープ試験」というもので、東京都目黒区の施設で1969年6月にスタート。炭素鋼の丸棒(直径1センチ、長さ5センチ)を400度に加熱し、2・4トンの力で引っ張った。40年以上かけ、丸棒は2・7ミリ伸びた。 約900台の実験機がある目黒区の施設は、事業仕分けで廃止が決まり、来年度以降は約500台がつくば市の本部で稼働する。「当初の使命は終えているが、新材料の安全性を高めるためには長時間実験が不可欠。今後も記録を伸ばしたい」と、同機構データシートステーション長の木村一弘さんは話している。