日本は「成熟国家」などではない。まだまだ「伸びしろ」にあふれている。 著書『新・観光立国論』で観光行政に、『国宝消滅』で文化財行政に多大な影響を与えてきた「イギリス人アナリスト」にして、創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社社長であるデービッド・アトキンソン氏。 彼が「アナリスト人生30年間の集大成」として、日本経済を蝕む「日本病」の正体を分析し、「処方箋」を明らかにした新刊『新・所得倍増論』が刊行された。そのポイントを解説してもらう。 この記事の写真を見る ■労働人口で計るとさらに悪化する日本のランキング 前回の記事(「『1人あたり』は最低な日本経済の悲しい現実」)では、日本の生産性が先進国で最低であることをご紹介しました。この記事には多くの反響をいただきました。 一番疑問視されたのは、日本は高齢者が多いから、生産性を計るために1人あたりGDPを使うと、日