<どんな内容の仕事なのか意識したこともなかったが、この本を読んだ今は分かる。「検針が簡単」は「精神的に楽」と同義ではない> 世の中にはさまざまな仕事があるが、自分の日常には関わりの少ない職種については、当然のことながら意識する機会は少ない。例えば、『メーター検針員テゲテゲ日記――1件40円、本日250件、10年勤めてクビになりました』(川島徹・著、フォレスト出版)の主役である「メーター検針員」という仕事も、そのひとつかもしれない。 時々「こんにちは、メーターの検針です」と声をかけて作業をしていく方に出会うことはあるものの、彼らが行っている仕事の内容や、そこに絡む問題などについてまでは、なかなか考えられないもだ。 でも著者によれば、仕事自体は難しいものではないらしい。 電気メーターの検針は簡単である。 電気メーターを探し、その指示数をハンディに入力し、「お知らせ票」を印刷し、お客さまの郵便受