新型コロナウイルス感染症をめぐる危機により、社会は混沌と混乱に飲み込まれている。筆者は、危機に陥るとマネジメントが過剰に、リーダーシップが過少になりがちで、それが大惨事を引き起こしかねないと指摘する。本稿では、企業幹部たちがリーダーシップを発揮するうえで回避すべき、4つの落とし穴を示す。 すべての危機がそうであるように、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をめぐる危機も「始まり」と「中間」と「終わり」を経て進行する。そこで、過去と現在と未来をはっきり区別して考えたほうがよい。 過去は、まだ状況が比較的安定していて、予測可能性も高かった。現在は、混沌と混乱にすっかり飲み込まれている。そして未来は、これまでとはまったく違う状況が訪れるだろう。 そうした未来には、レジリエンス(再起力)を発揮して立ち直れる企業もある半面、大惨事に陥る企業も出てくる。いま危機の中で企業幹部やチームがどのよう